プレスリリース

TMIP(Tokyo Marunouchi Innovation Platfom)参加企業対象にマインドフルネスが睡眠及び仕事におけるパフォーマンスに及ぼす影響について共同実証実験を行いました-TMIP×ACCELStars×Melonの共同実証実験成果発表-

 組織の心と感情の課題を解決するエモーショナルマネジメントを提供する株式会社Melon(本社:東京都港区、代表取締役 橋本 大佑以下「MELON」)と東京大学医学部発のMedical Sleep Techスタートアップである株式会社ACCELStars(読み方 アクセルスターズ)(本社:福岡県久留米市、代表取締役社長:宮原禎)、一般社団法人TMIPは、予防医療領域における睡眠測定サービス「スリープコンパス」を活用し、睡眠改善手段としてマインドフルネスが有効かを効果があるかどうかをTMIP参加企業に対し実施しました。その共同実証実験成果を発表いたします。

 RAND研究所(米国本拠の有力シンクタンク)の調査(2016年)で、日本の睡眠不足による経済損失は年間15兆円(当時のレート)と発表され、睡眠に対する経済・社会的な影響について大きな注目を集めるきっかけとなりました。しかし、睡眠不足による認知行動機能の低下には自覚症状がほとんどなく、また正確な睡眠データの把握には病院での脳波測定が必要という課題があります。 そこで計測のハードルを下げるために、ACCELStars創業者である上田泰己らの研究グループがウェアラブル端末による睡眠測定アルゴリズム(計算方法)「ACCEL」を開発しました。これにより類似の端末では判定できなかった中途覚醒(睡眠中に一時的に目覚めてしまうこと)の正しい検出ができ、医療利用レベルの睡眠測定の簡易化が実現しました。

■睡眠測定サービス「Sleep Compass (スリープコンパス)」 

https://www.sleep-compass.com

健康経営・市民健康増進・保健事業、コラボヘルスに関心が高い企業・自治体・保険者を対象にして2023年5月25日より提供開始いたしました。提供開始より、現在53施設にご利用頂いています。

当サービスは、端末を8日間装着していただき、腕の動きのパターンを捉えて睡眠の量・リズム・質や生活習慣を把握します。健康的な睡眠がとれているかを総合的に判定して5段階で評価し、良い睡眠や体内時計の最適化に関する睡眠リテラシーの向上を促すe-ラーニング提供の上、睡眠の羅針盤となる明日から改善に向けたアクションプランも提供いたします。

また、2022年3月より国内最大規模の医療機関である桜十字病院グループと提携し、有所見の方に行う医療従事者からの指導を共同開発いたしました。本サービスは主に特定保健指導の一環で睡眠衛生指導を実施したいという保険者や新たな健診・人間ドックのサービスとして活用したい健診機関にて積極的に利用拡大しています。

■MELON マインドフルネスプログラム の概要について

https://www.the-melon.com/online-program/

「MELONオンライン」は、専門のインストラクターからオンラインでマインドフルネス指導を受けられるオンラインプラットフォームです。毎日10クラス以上開催されるライブ配信レッスンと過去アーカイブ動画の視聴が可能で、時間と場所を選ばずにいつでもマインドフルネスを実践できるのが特徴です。早稲田大学との共同研究により、オンラインで提供するマインドフルネス、瞑想関連サービスにおいて日本で初めて効果を実証された、質の高いプログラムを提供しています。

■本共同実証実験の目的

本研究は、睡眠計測とマインドフルネスの実施が、睡眠および仕事のパフォーマンスにどのような影響を与えるかを調査することを目的として実施されました。

■本共同実証実験の実施方法

参加者 :TMIP会員企業から任意参加者を募集し、30名が研究に参加しました。
実施回数:1回目の睡眠健康度測定は2024年1月25日〜2月18日に行われ、参加者は8日間にわたり「SLEEP COMPASS」を用いて睡眠の量や質、リズムを測定し、取得したデータを基に作成された個人レポートを利用しました。

その後、「MELONオンライン」を使用したマインドフルネスと研修の実施期間を経て、再び8日間にわたり、『SLEEP COMPASS』を用いた2回目の睡眠計測を2024年3月7日から3月24日まで行いました。比較対象者となった22名(レポート2回発行かつ判定結果が出ている方)に対し、1回目と2回目を比較した場合の睡眠および仕事パフォーマンスにおける改善効果の測定を行いました。TMIPは、2社のサービスを活かした実証実験の企画立案をリードするとともに、多くの大企業が参画しているプラットフォームの強みを活かし、睡眠をはじめとするヘルスケア領域に関心のある会員企業とのマッチングや実験への参画を募りました。

本共同実証実験の結果

成果①:マインドフルネス実践で睡眠の総合評価が29%向上

デバイス計測と問診評価から示される睡眠の「総合評価」は、マインドフルネス積極群にて29%向上しましたが、非積極群においては向上が見られませんでした。2回目の計測期間が年度末という時期的要因により飲酒率が全体として上昇していたこともあり、睡眠が悪くなる環境下で、マインドフルネスにより向上・維持できたと考えられます。

マインドフルネス積極群は睡眠量やリズムの評価も大きく向上しました。睡眠量の項目では積極群は36%が向上し、平均睡眠時間も23分増加しましたが、非積極群では8分減少という結果になりました。睡眠リズムの項目でも、積極群は21%が向上したのに対し、非積極群は0%でした。

成果②:マインドフルネス実践で睡眠の質の指標である「睡眠効率」が2.3倍向上

睡眠の質の評価指標である睡眠効率を比較した結果、マインドフルネス積極群は非積極群に比べて2.3倍の向上を示しました。マインドフルネスにより生活リズムが整い睡眠量を確保できたことが睡眠の質の向上に寄与したと考えられます。

成果③:マインドフルネスで睡眠効率が向上したグループは仕事パフォーマンスも向上

マインドフルネス積極群のうち、睡眠の質が向上したグループは仕事のパフォーマンスも向上しました。「最高」と答えた割合が10%から18%に増加し、日中の眠気や疲労感の改善も見られました(スリープコンパスサービスより評価)。

成果④:マインドフルネスに加えて生活習慣の改善が鍵

マインドフルネス積極群でも全員が向上したわけではなく、向上・低下のグループに二極化しました(向上57%、低下43%)。瞑想時間の差が見られなかったため、他の要因が睡眠の質に影響している可能性が考えられます。積極群で睡眠の質が向上したグループは、アルコール摂取やブルーライトの使用、夜食などに対する行動変容が見られたことから、マインドフルネスに加えて生活習慣の改善も重要であることが示唆されます。

ACCELStars×MELON 共同開発プログラムリリースが決定

本共同実証実験の結果を受け、ACCELStarsの『SLEEP COMPASS(スリープコンパス)』とMelonのオンラインマインドフルネスプラットフォーム「MELONオンライン」を組み合わせた睡眠改善の共同開発プログラムをリリースすることが決定しました。この提携により、企業や保険者が睡眠課題に取り組むことを支援し、睡眠改善を通じて社会全体の生産性とエンゲージメントの向上を目指します。詳細は各社のホームページにて公開予定です。

【TMIP】
TMIPは、一般社団法人TMIPが運営する組織で、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)のイノベーション・エコシステム形成に向けて、大企業とスタートアップ・官・ 学が連携して社会課題を解決することで、イノベーションの創出を支援するオープンイノベーションプラットフォームです。会員、パートナーを含めると290社を超える組織になります。

【法人概要】
法人名   一般社団法人TMIP
Webサイト  https://www.tmip.jp/ja

【株式会社Melon】
株式会社Melonは、人・組織の心と感情の課題解決を支援するエモーショナル・マネジメント・カンパニーです。脳科学や心理学でエビデンスが認められたマインドフルネスを応用し、科学的なアプローチに基づいた心と感情のトレーニングプログラムを法人・個人のお客様に提供しています。

【会社概要】
会社名      株式会社Melon
代表者      代表取締役 橋本 大佑
所在地      東京都港区南青山6-2-2 南青山ホームズ301
設立       2019年4月
事業内容    マインドフルネスのオンラインサービス「MELONオンライン」
Webサイト  https://www.the-melon.com

【株式会社ACCELStars】
ACCELStarsは、「睡眠を解明し、新たな医療を創造する」というビジョンのもと、2020年8月に東京大学医学部教授の上田泰己が会社を設立いたしました。精神疾患・神経変性疾患・発達障害は、睡眠障害を併発する疾患であり、これらの疾患の治療サポートサービスの提供をいたします。日本国内のみならず世界的に睡眠への関心が高いにもかかわらず、現在提供されている睡眠測定サービスは、医療へ活用するには睡眠と覚醒の検知精度が低いという課題があります。そこで、弊社創業者兼取締役CTOの上田を中心に開発した睡眠測定技術は簡易であり、でも信頼性の高いものです。アルゴリズムによって、医療業界を中心に提供していきます。具体的な事業としては、健康診断への睡眠測定の導入や、製薬企業と協業した新たな医療の開発を行ってまいります。

【会社概要】
株式会社ACCELStars(アクセルスターズ) 
代表取締役 宮原 禎
設立日:2020 年 8 月 28日
本社所在地:〒839-0864 福岡県久留米市百年公園1-1
東京オフィス:〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1東京大学アントレプレナープラザ205
HP:https://www.accelstars.com/

宮原 禎(代表取締役 CEO)
リクルート(現リクルートホールディングス)でソフトウェア開発・事業開発に従事した後、会社経営を複数社経験。2015年からヘルスデータ・プラットフォーム社の立ち上げを行い、CEOとして現在、日本最大級のPHRサービスをゼロから成長をさせた。JMDCへ事業統合の後はグループの新規事業、マーケティングの責任者として、米国Fitbit社との独占提携を指揮。JMDC在籍当時から、睡眠領域へ興味を持ち、上田との出会いから2021年5月より現職。群馬県高崎市出身。

上田 泰己(創業者 / 取締役 CTO)
2004年、東京大学大学院医学系研究科修了。03年から理化学研究所チームリーダー等を経て13年より東京大学大学院医学系研究科教授。現在、東京大学大学院情報理工学研究科教授等を兼務。専門はシステムズ薬理学・睡眠。福岡県福岡市出身。

【本件に関するお問い合わせ先】 
株式会社ACCELStars(アクセルスターズ)
広報担当:press@accelstars.com